前回の記事『怒りの正体』↓で、怒りというのは「感情のフタ」だとお話ししました。
「さみしい」「悲しい」「つらい」というココロの奥底の気持ちを自覚したら耐えられないので、ぼくらは怒りでアタマを一杯にするのでした。
そして、「さみしい」「悲しい」「つらい」という気持ちのさらに下には、「大切にしてほしい」「愛してほしい」「認めてほしい」というような気持ちがあるんでしたよね。
「怒 り」
↓
「さみしい」
「悲しい」
「つらい」
↓
「大切にしてほしい」
「愛してほしい」
「認めてほしい」
これが理解できれば、誰かがあなたのことを怒っても、印象が変わってきますよね。
その人にとって、あなたは「重要人物」なんですから。
「咲坂さん、それはよくわかったけど、逆にこっちの方が怒っちゃった時はどうしたらいいの?」
そうですよね、そっちも大切ですよね。
「っていうか咲坂さん、実は全然怒れないんだけど……。」
あ、そうですね、そのパターンもありました。
じゃ、怒っちゃったらどうするかの前に、まず怒れない心理についてみてみましょう。
怒れない人もいる
怒れないと言っても、性格的にあまり怒りを感じにくい人も、癒しが進んで怒りを感じる必要のない人もいます。
なので、特に問題がなければ怒れなくても悩む必要もないんですが、そうでない場合もあるんですよね。
ここでは比較的多い2つのパターンをご紹介します。
1)自分に禁止しているパターン:
誰か身近な人が怒るのに反発して、「自分は絶対怒らない!」って誓った人です。
「怒り」というフタを禁止している分だけ、「さみしい」「悲しい」「つらい」を感じやすい傾向があります。
2)感覚麻痺のパターン:
「さみしい」「悲しい」「つらい」という気持ちも、フタである「怒り」も全部含めて「重し」を付けて、ココロの壺ごと海の底に沈めちゃうパターンです。
壺ごと沈めちゃっているので、「うれしい」「楽しい」みたいな気持ちもあまり感じない傾向があります。
どちらの場合でも、ココロの傷も含めて自分自身と向き合っていけば、怒りを感じられるようになります。
でも、やっぱり圧倒的に多いのは、怒りをぶつけてしまって後悔したりするパターンではないでしょうか。
自己嫌悪は毒にしかならない
ぼくらはよく、「あの時なんであんな風に怒っちゃったんだろう・・・」なんて自己嫌悪に陥りますよね。
ぼくもよく凹みました、はい(苦笑)
「怒 り」
↓
「さみしい」
「悲しい」
「つらい」
↓
「大切にしてほしい」
「愛してほしい」
「認めてほしい」
ぼくらはホントは相手に大切にしてほしいワケですよね。
でも、ホントの感情ではない「怒り」をぶつけられた相手が、1を聞いただけで10を察してくれるでしょうか?
以前のぼくには、『こんなに怒っているんだから察しろよっ!』みたいな気持ちでスネるクセがありました(汗)
でも、どれだけキレたってスネたって引きこもったって、相手が「怒りの正体」を知らない以上、ぼくの本心なんて理解されるワケもなく(苦笑)
「あなたが愛してほしいって気持ちまでよーくわかったからミナマデ言ウナー♪」
なんて言ってくれる人なんかいないワケです。
むしろ、「なんだよソッチこそっ!」なんて感じで険悪になっちゃうパターンの方が多いのではないでしょうか。
感情のフタである「怒り」のせいで、理解してほしいホントの気持ちが伝わらないばかりか、余計気まずくなっちゃったりするから、後悔しちゃうんですよね。
でも、そうやって自己嫌悪に陥って凹んだり自分を責めたりしても、理解してほしいホントの気持ちは伝わらないままです。
それどころか、自分を責める分だけ、ぼくらのセルフイメージは下がります。
「やっぱりワタシはダメだなぁ・・・」と。
もう感情のエネルギーはダダ下がりですね。
で、そうやって感情のエネルギーが下がると、相手との関係修復にエネルギーを使えません。
怒 り
↓
ホントの気持ちが伝わらない
↓
そればかりか気まずい
↓
後悔して自分を責める
↓
感情のエネルギーが下がる
↓
関係修復にエネルギーを使えない
どうですかこの負のスパイラル。これ、だーれも得しません(ビシッ)
Spiral Staircase ~ Arc de Triomphe / Dusty J
怒ってもいいんです
「じゃあ咲坂さん、やっぱり怒りをぶつけるなってことだよね?」
はい、そうできるなら(苦笑)
「私はいま怒りを感じているんです。あなたに○○と言われてつらいからです。というのも、あなたに愛してほしいのに、それが感じられないからなんです。」
あなたはこんな感じで話せますか?
もしも話せるなら、ひょっとしてあなた、すでに解脱してますね?
……あるいは女優ですか(笑)?
怒りは防ぎようがないですよ。
だって、強大なココロの奥底、つまり深層心理が耐えられない感情を、反射的に「怒り」でフタしているワケですから。
それがココロのメカニズムである以上、「怒り」自体は悪いものじゃありません。
堂々と、怒ればいいんです。
大切なのは、ご自分の怒りの下にある気持ちを、理解するコト。
これだけで、あなたの人間関係は変わって行きます。
相手の見方、自分の見方が変わるからです。
せっかくですから、あなたが怒りを感じた時どうしたらいいか、シミュレーションしてみましょう。
『STEP1』
あなたが怒りを感じたなら、それを禁じる必要も、嫌悪する必要もありません。
『STEP2』
怒りの爆発エネルギーはそう長くは続かないので、ちょっと落ち着いて来たら、ご自分のホントの気持ちと向き合ってください。
「大切にしてほしい」「愛してほしい」「認めてほしい」のに、それが実感できないからつらいってこと、思い出しましょう。
もう相手の人を攻撃する必要はありません。
『STEP3』
もし伝えることができるなら、次のことを相手の人に伝えてみましょう。
1) 本当は怒りたかったのではなかったこと
2) あなたのことを大切に思っていること
3) そのあなたの言動がきっかけで、私は悲しくなったこと
『STEP4』
相手の人に伝える時の主語は「私」です。
「あなた」を主語にすると、場合によっては批判や攻撃に聞こえちゃうからです。
×:アナタは、いつもメールの返事が遅いんだよ。
◯:(私)、あなたのメールの返事が来ないのですごく不安なんだ。
『STEP5』
「行動」にフォーカスしないで、「感情」にフォーカスして話してください。
例:ワタシ、あなたの帰りが遅いのに、連絡がなくて悲しかったんだよ。だって、一緒にいたかったから。
エクササイズは以上です。
「えー咲坂さん、そんなコト恥ずかしくて言えるワケないじゃん……。」
はい、よくわかります、その気持ち。
こういう気持ちを伝えるのって、メチャクチャ恥ずかしいですよね。
それに、プライドとか「こんなこと言ったら馬鹿にされないか」とか、色々と考えちゃいますし。
でも、よく考えてみたら何一つ「恥じる」必要なんてないんですよ。
自分をおとしめるものではないし、その飾らない素直な気持ちは、相手にとっても迷惑なんかじゃないんですから。
それを「恥じる」っていうのは、自分自身の気持ちを大切にしていないってコトです。
「大切にしてほしい」
「愛してほしい」
「認めてほしい」
あなたのココロの底にあるその想いを、誰にも恥じる必要はありません。
あなたは気づいていないかもしれませんが、あなたにはそれを受け取る権利も価値も、最初からあったんですから。
このことを思い出せた時、もしかしたらあなたは気づくかもしれません。
あの時あなたは、「愛されていない」という誤解が生み出した幻影に怒っていたのかもしれない、と。
その時、あなたのあの怒りは、癒されて消えているかもしれません。
さて、あなたはこんなコトを知りたいと思いませんか?
- ケンカになりにくいコミュニケーション術
- 悪い予感がよく当たるヒミツ
- やたら攻撃的な人への上手な接し方
- 人間って死んだらどうなっちゃう?
そんな疑問にお答えした音声ファイルを4本作りました! メルマガを購読していただくだけで全部あなたに差し上げちゃいます。
『イカナルメルマガ』は、どうやって行動したらあなたの現実を変えてココロを軽やかにできるか、わかりやすくお伝えします。
もちろん、いつでも購読解除もできますので、こちらからご購読を!
※ケータイやスマホの方、受信許可設定をお忘れずに!
今日も最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。
咲坂好宥
コメント