いい人、ピエロ、ネアカ、ヒーロー、天然、ワル、賢者…。自分にはないキャラを演じることで、今より気に入ってもらいたい、あるいは嫌わないでほしい……。
あなたはそんな風に感じたことはありませんか？
なぜぼくらはそんな風に感じるのかと言えば、そうしたほうが好かれる、あるいは嫌われないと信じているからですよね。
ということはつまり、「今のまま、ありのままの自分では十分に愛されない」という思い込みがあるってコト。だから、自分以外の誰かを演じたい。そうすることで、愛されたい。
ぼくらのココロの奥底には、そんな思いがあるみたいです。
でも、それは仮面をつけ続けて生きているようなもの。
お望み通り愛されたとしても、それはあなたが愛されたのでしょうか？ それとも仮面が愛されたのでしょうか？
あなたのままでは愛してくれない人がいるかもしれません。
でもそれは、人類全体ではありません。
あなたが仮面をつけて誰かを演じることで、その人はその仮面を愛してくれるかもしれません。でも、本来のあなたを愛するであろう人が、あなたに振り向いてもくれないかもしれないのです。
「本来の自分では愛されない」というのは、思い込みです。あなたのココロの中の怖れが創り出した幻想なんです。
あなたのその仮面は、愛されるかもしれません。ありのままのあなたも、愛されるかもしれません。それはあなたが決めることではなく、あなたと向き合うその人が決めること。
あなたなら、どちらを選びますか？
今回の「恋愛Jp」Q&Aでは、“ツンデレキャラを演じた方がいいか？”という、強烈に俗っぽいテーマ（苦笑）でしたが、このような人間心理の暗部にメスを入れた、高尚なお話だったんですよ、実は（笑）
ってことで、俗っぽいお話にお付き合いくださいませ。
【相談者：20代女性】
私の周りの男友達はツンデレ好きが多いのですが、やっぱり男の人ってツンデレがいいのでしょうか。
実は今、気になっている人がいます。
“男の人はツンデレが好きなもの”ということなら、そう接したほうがいいのかなと思っています。でも、そもそもそんなタイプじゃないので自信がありません。
何かアドバイスしてください。よろしくお願いします。
Ａ．相手の性質を理解した上で、自分にムリがなければアリかも
日常の迷宮脱出ガイド、心理分析士の咲坂好宥です。
巷の評判では、“ツンデレ＝恋愛の最強カード”っていう声を聞くことがありますよね。でも一方では、「めんどくせー……」なんて声も聞きます。
あ、これはぼくの声か（笑）
実際のところ、ツンデレは男性にとって天使なのか悪魔なのか？ そして、あなたはツンデレ化したほうがいいのか？ そんな疑問に科学的に（？）お答えしましょう。
tsundere / ryunosuke00
ツンデレはモテるのか、実験で検証
まず、ツンデレならではの特徴である“ツン”、つまりツンツンと冷たい態度を取ることが好感度にどんな影響を与えるのか、ハワイ大学のエレーン・ハトフィールドらがまじめにデータを取った実験があるのでご紹介しますね。
デート斡旋所に登録した女性に男性からデート申し込みの電話があったとき、2通りの答え方をしてもらったのです。
1つ目は、すぐにイエスと答えるパターン。
2つ目は口をつぐんだあと、「私にはお誘いがたくさん来ているのよ」と上から目線で伝え、「でもまあコーヒーだけなら……」としぶしぶ引き受けるパターンです。
うわー、めんどくせー（笑）
その後、デートを申し込んだ男性に女性の評価をしてもらった結果、どちらのパターンにも大きな差は出ませんでした。
そこでハトフィールドらは、もっと直接的な調査をしました。
男性たちに、デートをするならすぐになびきそうな女性がいいか、それとも取りつきにくいツンとすました女性がいいか聞いたのです。
そのまんまですね（笑）
結論としては、大半の男性がどっちもどっちという、身もフタもない答えでした。
簡単になびく女性は気軽で一緒にいると楽しいけれど、人目の多い場所では恥ずかしいときもある、と。
どう恥ずかしいのかよくわかりませんが、ベタベタしすぎるってことなんでしょうか。
一方、ツンツンした女性は落としたときの達成感は抜群ですが、やさしさに欠け、友達の前で侮辱されることもあるとのことでした。
人間の根本的なニーズには個人差があります
ということで、少なくともデータ上では、ツンデレでいることのメリットは五分五分のようです。
したがって、あなたがツンデレ化して大成功する確率も五分五分ではないでしょうか。
ただ、その際ちょっと気をつけなければならないポイントが2つあります。
1つ目は、あなたがどんなに緻密に計算してツンデレ化したとしても、そもそも相手の男性があなたに全く興味がなければスルーされる可能性が高い、ということです。
たぶん、「感じ悪い人だなー、情緒不安定？」で終わるかと……（苦笑）
そこはどうアプローチしてもおんなじ原理原則ですよね。
2つ目は、人間の根本的なニーズには個人差がある、ということ。
たとえば、人生に不確実性や多様性を求めているタイプの人は変化や刺激を好むので、ツンデレタイプがストライクゾーンにはまるかもしれません。
でも、人生に確実性や安定感を求めているタイプの人には、「振り回されるのはごめんだな」という印象を持たれるかもしれないわけです。
そんなの当たり前と言ってしまえばそれまでですが（苦笑）、実はこのような人間の性質は人生のさまざまなところで同じ傾向を示すことが多いのです。
だから、気になる相手の恋愛観そのものはわからなくても、たとえば仕事への取り組み方とか友人との付き合い方とか、そういった別のシーンでその人がどんな性質なのか観察すると、そこに答えが隠されているかもしれません。
自分らしさとのギャップにムリがないかチェック
ツンデレだからと言って顕著にモテるわけではないのは、人生に安定を求めるタイプや変化を求めるタイプ、あるいは肉食系で女性攻略が大好きなタイプやそうでもないタイプ……というように、相手の男性の性質によって好みが千差万別だからと言えます。
本当に身もフタもない結論ですが（苦笑）、最後のアドバイスは、「あなたがあなたらしくいられるのが一番」ってコトです。
キャラをつくりこんでいってそれが自然に自分のものになれば最高ですが、本当の自分とのギャップが大きくてそれに苦しむ、というのはカウンセリングの相談でもよくあるパターンなのです。
ツンデレでもツンツンでもデレデレでもいいのですが、ご自分の態度になんとなくザワザワした違和感を覚えたら、「あれ、ムリがないかな？」とちょっと立ち止まってみるのも大切なことかもしれませんね。
あなたがあなたらしく魅力的になりますように！
Hugs / wwward0
【参考文献】
・『その科学が成功を決める』（リチャード・ワイズマン著、文藝春秋）
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今日も最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。
咲坂好宥
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