たとえば、背が低いことを指摘されると傷つく人もいれば全く傷つかない人もいますよね。
それは、背が低いというコトに対して自分がどう解釈しているのかによって違ってくるわけです。
背が低いけどそんなの関係なく自分はイケてる、と信じている人は傷つかないかもしれませんね。
逆に背が低い自分はイケてない、といつも気にしている人は傷つくかもしれません。
ぼくらは「傷つけられる」というコトバを使いますが、一方で「傷つく」という表現もあります。
自分から傷ついたのか、それとも相手に傷つけられたのか。
この違いに気づくことで、あなたは上手にご自分の感情をコントロールできるようになるかもしれません。
今回の「恋愛Jp」Q&Aでは、そんなことについてお話ししました。
【相談者:20代女性】
私は人から言われたことですぐに傷つきます。彼が何気なく言う言葉にもすぐ傷ついてしまいます。
他の人ともそうなので、たぶん彼が人を傷つけるようなことをわざとしているのではないと思います。
どうしたら傷つかなくなるでしょうか?
A.自分の“傷つき”の正体を知るだけで、軽くなるかも
日常の迷宮脱出ガイド、心理分析士の咲坂好宥です。
彼だけでなく、他の人との人間関係でも傷つきやすいのですね。それは毎日おつらいことと思います。
具体的にどのような言葉であなたが傷ついてしまうのかわかりませんので、「傷つく」ということの本質に触れながら、どうしたらいいかご一緒に考えていきましょうね。
みずから傷つくケース
まず、“傷つく”というのはどういうことなのでしょうか。
精神科医の町沢静夫さんは、著書『「こころの居心地」がよくなる心理学』の中で、傷つきやすい人の心について次のように説明されています。
現代の青少年が傷つく場面は、明らかにそれとわかるような中傷の言葉や態度に接したときというような画一的なものではない。
その人固有のとらえ方でみずから傷つき、他人には容易にわからないことが多いのが、よくある傷つき方のように思われる。
(中略)傷つく心理の大半は、自尊心にまつわるものである。
ものや食べるものや着るものがおよそそろっている現代において自分を守ろうとするとき、唯一残された大切なものは、自尊心という心のレベルになってしまう。
たとえブランド製品や洋服といったもので競ったとしても、それは着るということを競うのではなく、ブランド製品を買うことによって、自分の自尊心を高めたいだけなのである。
ポイントは、“みずから傷つくことも多い”ということと、“自尊心にまつわることで傷つく”ということみたいです。
明らかに傷つけようと意図した場合は別として、相手の何気ない態度や言葉で傷ついてしまうのは、それにまつわる“地雷”があなたの心に仕掛けられているからなのではないでしょうか。
この地雷は、人それぞれ“爆発ポイント”、つまり傷つくきっかけが違いますから、他人にとっては、「え、そんなことで傷つくの?」と思うようなことでも、本人にとってはグサグサに突き刺さるわけですよね。
たとえば、背が低いことがコンプレックスの人にとっては、「小さくてかわいいね!」なんてラブリー感たっぷりのホメ言葉が完全なダメ出しに聞こえるかもしれません。
こんなとき、ぼくらは傷つく
このような場合、傷つく地雷の種類は千差万別ですが、爆発するタイミングはひとつだけです。
ぼくらは、“誰かから○○がほしいのに、それを否定されたと感じたとき”に傷つきます。
○○なんてなんだか勿体ぶりましたが(笑)、それはたとえば「優しい言葉」だったり、「大切に扱われた感覚」だったり、「好意」「認めてくれた感覚」「思いやり」「受け入れられた感覚」だったり……ではないでしょうか。
それらを一言でまとめちゃえば、「愛」ですね。
あなたが苦しいのは、“自分がほしい愛を彼が満たしてくれない”ということを受け入れられないからではないでしょうか。
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本当にあなたを否定しているのは誰?
ではここで、あなたが傷ついた出来事についてしっかりレビューすることで、その傷つきの本質を見てみましょう。
いえ、むずかしいことじゃありません。たった3つの質問に答えるだけですから。よろしいですか?
質問1:
よく覚えている傷ついた出来事を思い出してください。
あなたは彼の態度や言葉で、どんな風に傷つきましたか。どう感じましたか。
質問2:
そのとき、本当は彼にどうしてほしかったのですか。
質問3:
もし彼が質問2のようにしてくれたら、それによってあなたはどんな気持ちになれたのでしょうか。
「もっと優しくしてほしかった」「もっと大切にしてほしかった」「もっと認めてほしかった」……いろいろでしょうが、まるっと言っちゃえば、ほしかったのは「愛」ではないでしょうか。
最初にお話ししましたが、ぼくらは誰かから「愛」がほしいのに、それを否定されたと感じたときに傷つくのです。
とはいえ、それは傷ついた側の解釈ですから、相手が本当に「愛」をくれずに拒絶したかどうかというのは別問題ですよね。
心理学には『投影』という概念があります。
ぼくらは自分の内面を、まるで映画のスクリーンのように自分の外側の世界に映し出して見ている、というものです。
もし彼があなたに愛をくれないとお感じなら、本当にあなたに愛を与えていないのは一体誰でしょう?
ひょっとして、あなたはご自分に愛される価値はない、なんて思っていませんか?
自分を拒絶すればするほど、ぼくらの心は傷つきやすくなります。
先ほどの3つの質問で言うなら、本当にしてほしかった言動やそれによって味わいたかった気持ちを一番認めていないのは、あなたなんです。
そういうフィルターを通して世界を見ているから、彼の言動もそのように見える、と。
この心のメカニズムが腑に落ちるだけで、何でもかんでも傷つくということは少なくなります。
彼の言動がチクッときたとき、思い出してくださいね。
そして何より、不完全でダメな部分もたくさんあるあなた自身を、少しずつ認めて大切にしていってください。
これが上手にできるようになれば、「あんなことで傷ついていたなぁ」って笑える日がきますから。
あなたのココロが、軽やかになりますように!
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今日も最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。
咲坂好宥
コメント
はじめまして
内容を読んで、なるほどと思いました。
実践してみたいと思いました。
ですが、変わりたいと思う反面、今までの自分がなくなってしまうような、
自分のいい部分、性格や個性がなくなってしまうような気がして怖いです。
そういう場合は、どうしたらいいのでしょうか?
まめさん、はじめまして。コメントありがとうございます。まめさんのご心配、よくわかります。でも、大丈夫ですよ。
自分を認めて受け入れてあげることで、ぼくらは他人の言動で傷つきにくくなります。それは、それまでの自分を否定するのとは意味が違って、どんな自分もOKってことです。
これができるようになると、人はものすごく変化します。「性格変わった?」ってくらい。
でも、今までの自分の良かったところがダークサイドに落ちたりすることはありません。だって、どんな自分もOKだって認められただけのことですから。
たとえば、自分の服でお気に入りがあるじゃないですか。その服を「まめさんが自分のいい部分だと認めているもの」だとしましょう。
家の中にはイケてなくてもうちょっと恥ずかしいかな、みたいなアイテムもあるかもしれません。それが自分の嫌っている部分です。
でも、お気に入りの服にそのイケてないアイテムを加えてアレンジしてみたら、「あれ、全体のコーディネートとしては意外といいじゃない?」みたいになることもありますよね。
それが自分を受け入れるってことのイメージかな。だからお気に入りの服はそのまんま。まめさんのステキな部分はそのまんまですよ。
だから、どうぞ変化を怖れず一歩踏み出してみてくださいね。応援していますから。