あなたはなかなか決められない優柔不断タイプではありませんか? まあ徹底した優柔不断タイプじゃないにしても、人生は選択の連続ですから、こっちを選んでもし失敗したらどうしよう……って迷うこともあるんじゃないでしょうか。
もちろん、ぼくもありますよ。特に人生の岐路と言えるときほど、迷いますよね。一歩踏み出せなくなったりして。で、こういう迷いが出るときって特徴があるな、と思ったのです。
それは、うまく行った姿をイメージできていないってコトです。その代わりに、不幸が不幸の連鎖を呼んだ最悪の姿をイメージしていたりして。
これって、「やめとけよー、ここが一番安全だよー、そっちは危険だよー」みたいな悪魔のささやきが原因ですね。
で、そのささやいている悪魔ってどこにいるのよって話ですが、これはもう間違いなくぼくらの心の奥底にいるわけです。つまり、ぼくら自身。一体ぼくらは何のためにそんな悪魔のささやきをするのでしょうか?
それはこういうことです。たとえ今ここが苦しくてつらい“地獄の一丁目”でも、ぼくらにとっては勝手知ったる地獄なわけで、住めば都と言えなくもありません。
一方で新しい選択肢を選んだら、そこには天国が待っているかもしれませんが、それは全く未知の世界。ひょっとしたら、地獄の一丁目より恐ろしい展開にならないとも限りません。
だから、失敗した姿を想像して一歩踏み出せないというのは、ぼくらに備わっている防衛反応なんですね。悪魔のささやきは、正しいか間違っているかはさておき、良かれと思って自分自身を守ろうとしてくれているわけです。
とはいえ、その勝手知ったる地獄の一丁目にとどまることがホントにいいかどうかはまた別問題。
そこで、もしあなたが人生の岐路に立ったとき失敗することしか考えられずに立ちすくんでしまうようなことがあったら、「悪魔のささやきキター!」と思い出してください。
いや実際、大抵の場合、正解は一つじゃないですし、多少間違ったような選択肢を選んじゃってもリカバーできたりするじゃないですか。だから、悪魔のささやきが出てきたら、もれなくセットで隣にいるはずの天使のささやきも催促してみましょね。
つまり、それぞれの選択肢のメリット、デメリットをなるべく冷静に見つめてみようってことです。その上で最後は、バンジージャンプしかありませんが(苦笑)
【相談者:20代男性】
ぼくはすごく優柔不断で困っています。友達からは「決められない病」なんて言われます。
2か月前に知り合った彼女と付き合い始めたのですが、デートでどこに行くか、食事はどこでとるかと考えるのが苦痛です。 もし外してしまったら引かれるんじゃないかとか、がっかりさせるんじゃないかとか考えてしまうのです。
彼女にしてみればやっぱり決断力があるほうがいいと思います。どうしたら決断力がつくでしょうか。
A.完璧を求めず、意識を相手に向けるクセをつけましょう
日常の迷宮脱出ガイド、心理分析士の咲坂好宥です。
ありますあります。ぼくもかつて彼女をオススメの店に誘ったら「えぇぇ……」と引かれた経験(苦笑)。だからあなたのその恐怖、わかる気がしますよ。
ともあれ、ぼくらは毎日、何百回何千回と決断をして生きています。そうでなければ行動ができませんから。たとえば、今日の昼ごはんに何を食べるか決断できなかったらプチ断食になっちゃいますよね。
とはいえ、昼ごはんを食べようと入ったお店でAランチかBランチかなかなか決められないよ、とあなたは反論されるかもしれません。でも、最終的にAランチを選ぶのに1時間かかりますか?
AランチかBランチかを選ぶのに30秒かかっても5分かかっても大した差ではありません。その程度の優柔不断なら、メニューを十分に検討したというだけのことで、あなたの人生にとって大した問題にはならないでしょう。
では、今日の昼ごはんは決められるのに彼女とのデートプランが決められないのはなぜなのでしょうか。
選択肢の問題ではなくて、そもそも選びたくないということ
心理学講師の林日奈さんは著書『“ものごとが決められない自分”を変える法』の中で、この決められない心理の解説をされています。
林さんによると、なかなか決められない人には自分で決める経験が少なかったという特徴があり、その意味で林さんは“選択初心者 ”と呼んでいます。
選択初心者には、「何が正しいのか教えてほしい」「誰か決めてほしい」というような自信のなさがあり、選択肢そのものについて悩むというよりは、“選ばなければならないこと”に悩んでいるというのが特徴とのこと。
これは言葉を変えれば、「選択肢の問題じゃなくて、そもそも選びたくない」ということを意味していますよね。なかなかショッキングな分析ではないでしょうか。
そこで、なぜ選びたくないのか、優柔不断というものをより深く理解するために心理的な側面をもう少し掘り下げてみましょう。
優柔不断の下には深層心理の作戦がありました
たとえば、一生懸命考えたデートプランを聞いて彼女が引いたり否定したりしたら、あなたはどう感じるでしょうか。
「あれ、お気に召さなかったかー。じゃ、次行ってみよう!」というようにあっけらかんと受け止められる人は優柔不断にはならないかもしれませんね。それとも、むしろこんな風に感じましたか?
- バカにされた
- 自分の評価を下げてしまった
- プライドをへし折られた
- 嫌われてしまった
- 自分の存在自体を否定された
もしこのような感じを味わったとしたら、あなたの深層心理には「自分はダメ人間だ……!」という強い思い込みがありそうです。この感覚を心理学では『無価値感』と言います。
こんな感覚、絶対に味わいたくないですよね? だから、深層心理もこれらを感じることを阻止しようとします。その結果、無自覚ですが選べない、決められない……ということになるわけです。
選んだり決めたりしない限り、外して無価値感を味わうこともありませんからね。では、どうしたらこの壁を乗り越えることができるのでしょうか。
決めたり選んだりする経験値を上げるためのポイント
無価値感を弱めて優柔不断を克服するにはどうしたらいいのでしょうか。林日奈さんは“選択初心者”が物事を決められるようになるためには、自分一人で決める経験を積むだけだと指摘されています。
ただ、深層心理が乗り気でないのに決めたり選んだりする経験を積むのはそう簡単なことではありません。そこで、経験を積む上で超重要なポイントを2つご紹介しますね。しっかり腑に落とせばあなたは画期的に変われますよ。
(1)正解は1つではないと心得る
“唯一無二の答え”なんてありません。どれだけ時間をかけてもパーフェクトアンサーなんて見つからないのです。今正解だと思えるものが、明日も正解かどうかだってわかりませんよね。
だから、確率的にベターな答えを選べればいいのです。でも、状況次第ではその答えもベターではなくなるかもしれません。今日のデートで水族館が大好評だったからといって、次も水族館にしたらまずいことになる気がしますよね(笑)
プランをどう紹介するかでも印象は変わります。「君の口に合うかわからないけど、この前イタリアンが好きだって言っていたから知り合いに聞きまくって迷惑がられちゃったよ」って誠実に伝えたら、よほどひどいお店でない限りうれしく思うのではないでしょうか。
あるいはもっとテクニカルに、「実はここ、商社マンが大切なお客さんの接待に使うってことで知る人ぞ知るお店なんだよ」なんて紹介したら、密かな名店のような感じがしますよね。よく考えると根拠は不明ですが(笑)
正解は1つではないし、完璧を求めることには意味がない……これをことあるごとに思い出して、自由度を上げてください。
(2)与えることにフォーカスする
デートプランであれ何であれ、もし外してしまったら「バカにされないかな」「評価が下がらないかな」「嫌われないかな」……と考えてしまうあなた。そんなときあなたのココロの矢印、意識のベクトルは完全に自分に向いていますよね。
それは、“得ること”ばかりに意識が向いている証拠です。“得ること”を求め、その裏返しの“失うこと”をおそれていたら、固まってしまって身動きが取れなくなるのも当然ではないでしょうか。
なんだか身動きが取れないと感じたら、チャンスです。ココロの矢印をくるっと回して彼女に向けてください。そして、“得ること”から“与えること ”に意識をずらすのです。
その瞬間、「どうしたら嫌われないだろう」から「どうしたら喜んでもらえるだろう」ということに関心が変わっているはず。情報を集めて、時には直感を信じながら、ココロの矢印を彼女に向けてくださいね。
あなたに必要なのは経験値だけ。がんばっても外すことだってあるでしょうが、決める経験、選ぶ経験を積んでいけば自信もついてきます。意識的に動いてみてくださいね。お二人のデートがもっと楽しくなりますように!
【参考文献】
・『“ものごとが決められない自分”を変える法』(林日奈・著、同文館出版)
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今日も最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。
咲坂好宥
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