パートナーに限らず、あらゆる人間関係において、残念ながらこうすれば円満……みたいな超簡単マニュアルはありません。
でも、人類には共通の欲求というのがあるので、そこをしっかり押さえておけば、かなりの確率で人間関係はよくなるワケですね。
そんな人類共通の欲求の1つに、「理解されたい」というものがあります。
「わかってほしい」ってヤツですね。
スティーブン・R・コヴィー博士は著書『7つの習慣』の中で、第五の習慣として「まず理解に徹し、そして理解される」と説明しています。
ぼくらはどうしても「理解してほしい」という欲求にまかせて自分のことばかり話したり、相手の話を自分の価値観のフィルターだけで判断したりしがちです。
でも、相手も「理解してほしい」って欲求を持っているんですよね。
だから、まず相手の立場や価値観を理解して、だからそういう発言や行動をしたんだ、とわかってあげるのが超大切ってコトです。
ぼくがまだ心理学の知識を深める前のお話をしますね。
ぼくと当時のパートナーとはいつも激しいケンカをしていました。お互いが相手を責めて、自分の正しさを主張し合う日々でね。
あるとき、いつものような激しい応酬の後、ぼくが相手の話をじっくり聴き出したんです。
……しゃべるのに疲れちゃったから(笑)
で、せっかくだから相手はなぜそう主張するのか、相手の感情や背景を想像しながら聴いてみたんですね。
そうしたら、なるほど、こいつの立場ならそう思うなーと理解できたんですよ。
そういう気配って伝わるんでしょうね、きっと。なんと、あの手強いパートナーが今度はぼくの話を聴き出したんです。
そうしたら、あのののしり合いが「話し合い」みたいになっちゃったワケです。おそらく、「返報性の原理」が働いたのでしょう。
今にして思えば、そのときぼくは、第五の習慣を知らず知らずにやっていたんですね。
あなたにも似たような経験はありませんか?
「まず理解に徹し、そして理解される」。
もちろんこれは簡単なことではありません。
でもね、超強力なコミュニケーションの武器になりますから、ぜひうまくできるようになるまで、何度でもトライしてみてくださいね。
今回の「恋愛Jp」Q&Aではこのお話は出てきません。
いや、うっかり忘れちゃって(笑)
【相談者:20代女性】
1年半交際した彼と結婚することになりました!
これからの生活で役に立つ夫婦円満の秘訣があったら教えてください。
よろしくお願いします。
A.ネガティブな話も避けられないのが夫婦なら、表現の仕方が鍵
日常の迷宮脱出ガイド、心理分析士の咲坂好宥です。
まずはご結婚おめでとうございます!
夫婦円満の秘訣というものすごーく広範囲なご質問ですが、まさか、「結婚生活には大切な3つの袋があります。1つ目は給料袋……」みたいなお話を期待されているワケじゃないですよね(笑)?
仲人さんのスピーチのネタを奪わないためにも、ここは“会話”というポイントに絞って、心理学的な角度からお話することにしましょう。
相手のいいところに意識的に目を向け続ける
心理学者のジョン・ゴットマンは夫婦関係の研究のスペシャリストです。
彼は著書『結婚生活を成功させる七つの原則』の中で、離婚する可能性が高い夫婦に特徴的なNG会話パターンを4つ指摘しています。
1つ目は相手を軽蔑したり見下したりするような発言で、これが一番危険みたいなのでお気をつけください。
2つ目は人格批判をすること。人格じゃなくて相手の言動に対して文句を言いましょうね。
3つ目は防衛的な自己弁護。これは責任転嫁や言い逃れ、アラ探しにつながりますので要注意です。
最後は逃避的態度で、感情的に引きこもって二人の問題と向き合わないことです。火種は残ったままですからいつか爆発する危険がありますよね。
さて、ゴットマンは夫婦関係が長続きする会話のポイントも研究してきました。
中でも共感、理解、許しなどの“プラスの言葉”と、敵意、批判、軽蔑などの“マイナスの言葉”に関心を寄せて割合を調べ続けました。
そして、夫婦円満を長く続けるためにはプラスの言葉がマイナスの言葉の、なんと5倍必要だと結論づけたのです。
これはなかなかできることじゃないですよね。
ぼくは5倍という数字を見てちょっとクラッときました(苦笑)
まあ、どんなに親しい間柄でもそれだけの配慮が必要なんだと言ってしまえばそれだけのこと。
でも、そんな配慮だけで長年プラスの言葉を5倍って、かなりむずかしいと思いませんか?
やはり、相手のいいところに意識して目を向け続けてはじめてできることなのではないでしょうか。
サンドイッチ話法は有効?
とはいえ、一緒にいればネガティブなことを伝えなきゃならないシーンも出てきますよね。
そんなときに有効な手段として、『サンドイッチ話法』というのが有名です。
ネガティブな話をするときはその前後にポジティブな話をして、まるでサンドイッチのように挟み込むというものです。
これによって、相手のダメージを少なくすることができるんですね。
ただ、これはネガティブな話題でも比較的軽めのものに限定されるのではないでしょうか。
というのも、サンドイッチをすることで聞き手の気分を害することは減るものの、ネガティブな話題の印象が薄れてしまい効果的に伝わらないという研究結果もあるのです。
っていうか、ムカついてケンカしている最中にサンドイッチなんてできませんよね(苦笑)?
5倍ポジティブを目指すにしても、いつでもどこでもポジティブなんて、やっぱり不自然でしょう。ちゃんとあとでフォローができていればヨシ、としたほうが楽な気持ちになれるのではないでしょうか。
夫婦円満に効果テキメンのキーワード「でも」
最後に、旦那さんや奥さんの話題を他の人にするときにも夫婦円満の秘訣があるみたいなのでご紹介しますね。
リチャード・ワイズマンは著書『その科学が成功を決める』(文藝春秋)の中で、心理学者サンドラ・マレーとジョン・ホームズの研究を紹介しています。
それによると円満が続いている夫婦には、相手の欠点について話した後、「でも」という言葉でつなげてネガティブなムードを和らげる傾向があったそうです。
「夫はなまけ者なの。でも、それをネタにして二人で笑えるわ」「妻は料理が下手でね。でも、そのかわりしじゅう一緒に外に食べに行けます」……というように。
他人に旦那さんや奥さんのネガティブな話をするときって、謙遜みたいな雰囲気だったり不平不満を愚痴るときだったり、状況はさまざまでしょう。
いずれにしても、「でも」という言葉でつないでポジティブな話をするというのは、相手や二人のポジティブな面に意識をフォーカスしなければできないこと。
そんな風に意識し続ける習慣が、夫婦円満の秘訣なのかもしれませんね。お二人が、末永く幸せであり続けますように!
Beach Couple / The Nick Page
【参考文献】
・『結婚生活を成功させる七つの原則』ジョン・M・ゴットマン、ナン・シルバー著、第三文明社
・『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』スティーブン・R・コヴィー著、キングベアー出版
・『その科学が成功を決める』リチャード・ワイズマン著、文藝春秋
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今日も最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。
咲坂好宥
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