言い争い、口喧嘩、正しさの主張合戦、主導権争い……。どれもできれば体験したくないですよね。
でも、なぜか仲良くしたいはずの人といるときに限ってそんなことが起きちゃうんだよな……。もしあなたがそんな風にお感じなら、ある大原則をしっかり腑に落としたほうがいいかもしれません。
もしこの大原則が腑に落ちていなければ、あなたは5年後も大切な人に自分の正しさについて言い争いをエスカレートさせているでしょうし、10年後にはその人たちが皆あなたのもとを去っていってしまうかもしれません。
でも、この大原則をしっかり胸に刻み込んでいれば、つい一言言いたくなったときにふと立ち止まって、問題の本質に目を向けることができるようになるかもしれません。
それほど天と地との差になるような人生の大原則とは、一体何でしょうか?
話が長くなりそうですので(笑)引っ張らずにお伝えします。
“あなたと異なる意見があっても、それはあなたの人格や存在を否定するものではない。”
「なーんだ咲坂さん、そんなこと当たり前じゃん。」
あなたのあからさまにがっかりと冷めた顔が見えます。……はい、たしかに当たり前の話です。
でも、自分の価値を認められない人、自分にうんざりしている人、コンプレックスの塊の人、嫉妬しやすい人、完璧主義の人、親にダメ出しされ厳しく育てられた人などは、この大原則をすぐに忘れてしまって、つい不毛に正しさの主張合戦を始めてしまいがちです。
あなたがそんなタイプでないなら、今回の「恋愛Jp」のお話はスルーしていただいて結構です。ただ、もしなんだか胸がザワッとしたなら、暇つぶしのつもりで先を読み進めてみてくださいな。
【相談者:20代男性】
ぼくには3歳年下の彼女がいます。2人で話をしていると意見が違うことがありますが、そうなると彼女の話をちゃんと聞くことができません。
別にどっちが正しいのか決めなくてもいい話題でも、なんだか受け入れたら負けのような気がして、 ムキになって自分の考えにこだわってしまいます。
そんな態度なので、彼女からはよく「器が小さい」と言われてしまいます。そう言われるとムカつくしへこみますが、冷静に考えると自分でもそう思うことが多くて、自分で自分が嫌になります。
そもそも“器”って何なのでしょうか。自分とは違う意見を聞ける余裕が“器”なのでしょうか。よくわからなくなってきました。
どうしたら“器”を大きくできるのか教えてください。よろしくお願いします。
A.脳のキャパシティがオーバーしないように心がけましょう
日常の迷宮脱出ガイド、心理分析士の咲坂好宥です。
彼女に「器が小さい!」なんて言われたら、かなりダメージ受けますよね。お気持ちお察しします。
どうしたら彼女から「器が小さい」と言われないようになれるのか考える上で、“器”って一体何なのか理解しておく必要がありますよね。
まずはそこを整理した上で、具体的にどうしたらいいのか考えていきましょう。
“器”とは脳のキャパシティのことです
まず、“器”とは一体何なのでしょうか。一般的には“人物や能力などの大きさ”というような意味で使われていますが、これだけではちょっとピンと来ませんよね。
これについて、精神科医の西多昌規さんは著書『「器が小さい人」にならないための50の行動 脳科学が教えるベストな感情コントロール法』(草思社)の中でわかりやすく解説されています。
西多さんは脳科学的なアプローチから、器というのは“脳のキャパシティ”だと説明されています。そしてその大きさは、具体的には“脳の処理能力”と“感情の処理能力”で決まるとのこと。
この2つがうまく働いてくれないとテンパってしまい、キャパシティを超えるとキレるわけです。
西多さんによると、次の3つのキレ方のどれか1つでも当てはまるなら、あなたは“器が小さい”可能性が高いとのことです。具体的には……
- 自分でも何をしでかすかわからない“衝動性”がある
- 誰が見てもわかるように“あからさま”にキレる
- 自分でも“コントロール不能”
という特徴です。あなたに当てはまるものはありましたか?
Schiedsrichter zeigt rote Karte / marcoverch
あなたがムキになってしまう気持ちの下にあるもの
さて、あなたが彼女から「器が小さい」と言われてしまうのは、あなたの意見とは異なる彼女の話をじっくり聞けないようなときでしたよね。この点をもう少し掘り下げてみましょう。
1つの意見に集約しなくてもいいときでさえ、彼女の意見を受け入れたら“負け”のような気がしてムキになってしまうとのことでした。
このような気持ちを感じてしまうとき、自分の意見と異なる意見を出されただけなのに、まるで自分の人格まで否定されたような気になってしまいませんか?
これは『無価値感』という、ココロの奥底にある「自分には価値がない」という思い込みから来ています。
自分はダメだ……と思い込んでいるから、彼女の意見が「あなたはダメよ」と言っているかのように感じてしまうのです。
つまり、攻撃的にあなたの人格まで否定している“敵”は彼女ではなく、あなた自身だということ。このことが理解できれば、彼女の話をきちんと聞かない理由はもうありませんよね。
脳とココロの空きスペースを確保しましょう
器というのは“脳のキャパシティ”だということ、そして「器が小さい」と言われてしまうとき、あなたを一番否定しているのはあなたかもしれない、というお話をしてきました。
では、どうしたら器を大きくできるのでしょうか。
そのヒントになるのが最初にご紹介した西多さんの、脳のキャパシティは“脳の処理能力”と“感情の処理能力”で決まる、というお話です。
脳の処理能力というのはパソコンで言えばCPUやメモリで決まるということです。いろんなアプリをたくさん立ち上げていたら、パソコンもフリーズしちゃいますよね。
そうならないように、ぼくらの脳も空き容量を増やして、リフレッシュさせてあげることが大切みたいです。てっとり早いところでは、ちょっとその場を外して1人になって深呼吸するのもいいでしょう。
また、仕事、家のこと、友人関係などなど、いろんな“アプリ”が立ち上がっていると脳はフリーズしやすくなります。
彼女と一緒にいるときは優先順位をつけていらないことは後回しにすると決めることで、脳のスペースを確保することも忘れずに。
おススメなのは、“自分はどうありたいのか、どうしたいのか”という“原点”をあらかじめ決めておく、ということです。
たとえば、“彼女となんでも話し合える関係を築きたい”というようなことですね。もしも彼女とあなたの意見が合わなかったときには、この原点を思い出してください。
そして、“それに合った対応しかしない”と自分で決めるのです。これはなかなかフラフラしてしまいますが(苦笑)、自分をコントロールする第一歩ですからぜひ癖をつけてくださいね。
最後に、あなたの“感情の処理能力”を下げないことも忘れないでください。そのためにとても重要なこの事実をもう一度お話しておきます。
“あなたと異なる意見があっても、それはあなたの人格や存在を否定するものではない”。自分の意見にしがみつきそうになったら、この原則を思い出して深呼吸してみてください。
気持ちが落ち着いて、どんな態度を取ったらいいのかわかるはずですよ。お2人がますます仲良くなれますように!
【参考文献】
・『「器が小さい人」にならないための50の行動 脳科学が教えるベストな感情コントロール法』(西多昌規・著、草思社)
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今日も最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。
咲坂好宥
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